2018/12/18 19:42
超有名ブランド「メゾン・マルジェラ」は好きな人も多いと思います。
世界観が独特で多くの熱狂的なファンが世界中に存在するブランドです。
代表的なアイテムとして、
タビシューズ、エイズTシャツ、ハの字ライダース、エルボーパッチニットなどがあります。
ファッションが好きな方なら誰もが見たことあるような記憶に植え付られる強烈なアイテムばかりです。
ブランドイメージを表すのは象徴的な白ペンキですね。
店舗の内装からコレクションに至るまで一貫して白ペンキが使われています。
服やシューズはなかなか個性的な(アクの強い)デザインのものが多くてしかも高価だからどうしても手が出にくい…
そんなこともあって香水は結構使ってる人が多い。「レプリカ」という香水は10種にも及ぶラインナップで“思い出を呼び覚ます”というなんとも芳しいコンセプトのシリーズです。コンセプトは大仰だけど実際に嗅いでみると「あぁこれマルジェラの香水だったんだ!」ってなる人も多いと思いますよ。
ブランドアイコンの「カレンダータグ」
数字が並んで記載しているだけのあのタグですね。
白い長方形に数字が並んでいるだけのタグ。
その番号のひとつだけ「○」で囲まれていますね。これによって何のカテゴリーなのかが区別できるようになってます。
バッグやシューズなどアイテムによってはタグがなかったり印字になってます。
それぞれの数字は、
0 – 手仕事により、フォルムをつくり直した女性のための服
0 10 – 手仕事により、フォルムをつくり直した男性のための服
1 – 女性のためのコレクション(ラベルは無地で白)
4 – 女性のためのワードローブ
3 – フレグランスのコレクション
8 – アイウェアのコレクション
10 – 男性のためのコレクション
14 – 男性のためのワードローブ
11 – 女性と男性のためのアクセサリーコレクション
12 – ファインジュエリーのコレクション
13 – オブジェ、または出版物
22 – 女性と男性のための靴のコレクション
MM6 – 女性のための服
1と10がコレクションを、4と14はワードローブを表しているみたいです。
コレクションというのはパリコレとかで発表される新しい服という認識で、ワードローブというのが定番のアイテムとかデイリーウェアという認識のようですね。
因みにこの白いタグは白糸で縫い付けてあります。
タグの四隅だけを縫っているよく見るタグです。
この白糸は外まで縫われていて外側からもちょちょんっていう糸が確認できる服もあります。
これは着る人がタグを切りやすくするためなんですって。
何でこんな事をする必要があるの?と不思議に思いますよね。
デザイナーは?
メゾン・マルタン・マルジェラのデザイナー、マルタン・マルジェラは公には出てきません。
1988年に設立しその頃はコレクションにも出ていたようなのですが、今は業界関係者でもごく一部の人間しかその素顔を知らないという奥手な人です。
男性でベルギー出身という事だけですね、確実な情報は。
マルタンマルジェラのヒストリー
「アントワープの6人」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。この6人と学校で同級生だったというのは私も耳にしたことがあるんですが気になったので調べてみました。
1977年~1979年にマルジェラがアントワープ王立芸術学院で同期だった6人の事を指すようです。
その6人というのが、
ダーク・ビッケンバーグ(大手セレクトショップや有名サロンで取り扱われるトップブランドの創立者)
アン・ドュムルメステール(青山や表参道ヒルズに直営店がある世界的ブランドの創立者)
ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(ラフ・シモンズやウィム・ニールスなどが師事した人物)
ドリス・ヴァン・ノッテン(全世界に路面店を抱えるトップブランドの創立者)
ダーク・ヴァン・セーヌ(1着10万円を超えるようなブランドだがコアなファンを多く抱えるブランドの創立者)
マリナ・イー(グラフィックやインテリアデザインやオブジェなど多岐にわたる芸術分野で第一線のクリエイター)
錚々たるメンバーですね。この当時全員が影響を受けたのは最盛期の川久保玲。
言わずと知れたコムデギャルソンの創始者デザイナーです。
ギャルソンの衝撃を受けてその後働く先がジャン=ポール・ゴルチエのアトリエ。
ゴルチエって言ったら当時のモード最先端のなかなかアバンギャルドなブランドです。
そこで感性を磨いて自分のブランド「メゾン・マルタン・マルジェラ」を立ち上げました。
途中エルメスのデザイナーも7年間ぐらい兼任し2008年に引退してます。
引退の事実もマルタンマルジェラを傘下に置くDIESEL代表者が“創立20周年にあたる2008年のコレクション以来ブランド「マルタン・マルジェラ」との関わりはなく、引退状態にある”という言葉で公となります。
自分で引退宣言をしたのではないんですね。ますます謎な人物です。
因みに2014年にはジョン・ガリアーノ(Diorのデザイナー)がクリエイティブ・ディレクターに就任。
翌年にブランド名を「メゾン・マルタン・マルジェラ」から「メゾン・マルジェラ」へ改名しましたとさー。
マルジェラのデザインコンセプト
このマルジェラのデザインのコンセプトは「反モード」です。
今でいう「モード」は色味も少なくモノトーンでデザインがシンプルなものというイメージですが、当時は煌びやかで贅沢な雰囲気をもつもの、という雰囲気でした。
ちょうどゴルチエのような雰囲気でしょう。
アンチモードが方向性として定められていたので当時としては珍しかったダメージ加工ジーンズや軍物やリメイク品など古着をモチーフにしたものを作っていました。
「ポペリズム」(貧困者風)なんて呼ばれていたそんなコレクションは「デストロイコレクション」(常識を壊すコレクション)とも表現されます。
無音のコレクションショーや、
モデルに布を被らせて顔を隠してしまったり、
服を印字した看板を着させたり、
とメッセージ性が超強いショーで注目されます。尖り方がギャルソンによく似ています。
マルジェラが発信したかったこと
こうやって見るとマルジェラはずっと反骨精神のなか生きてきたように感じます。
今もご健在なのかどうかすら分かりませんが。きっと現代の日本に生まれていたら中二病なんかと揶揄されていたかもしれませんね。
そんな事はさておき、先程マルジェラの服のタグはすぐに取れるような縫い方をしていることを書きました。タグってブランドの生命線みたいなパーツでしょ、なのに何で取れるようにするの?っていう疑問の事です。
これこそがマルジェラが発信し続けていてることの意味です。
「ブランドを身に付けないで。そんなもので付加価値とかいらない。本質的な表現物として“服”を着てよ。」
そんな声が聞こえてきそうです。
そう考えるとデザインの意味も、ショップの内装の白も数字だけのタグもデザイナーが表に出てこないっていうのもなんか納得できちゃいます。
この一貫性が人を惹きつけ続ける要因なんですかね。
でも結局のところあまりよく分かりません。でも「魅力的である」という事はさらに理解できちゃいました。
因みに私たちのショップもコンセプトがあります。
“『オシャレをする』という行為は贅沢なこと”
リアルクローズレベルで日常の気分を少しだけでも上げてくれるアイテムとしてファッションは十分に役割があると思います。
ただ生活必需品かと言われるとそうでもない。
そしてこだわるともちろんお金がかかる。しかもマルジェラのような素敵なものは高いから尚更お金がかかるんです。
別の方法でファッションを楽しめるような方法を広めていきたい。
高級セレクトショップで置いているようなステキなモノを手が届きやすいプライスでお届けしたい。
生活するうえで必須ではないけど、
日常に彩りがあるという豊かさ(=少しの贅沢)を生活に取り入れる。
そんな事をショップを通じて実現したいって思ってます。
よかったらショップも覗いてくださいね。ありがとうございました。